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医療用語にはご注意を!

医療翻訳や医療通訳の際は、特に気をつけなければいけないのが医療用語の訳し方です。一部の医療用語がラテン語に由来しているため、多くの言語では似たような言い方をします。しかし、全部はそうではありません。

一例を挙げてみますと、ヘルニアという病名があります。日本語もそうですが、英語・スペイン語・フランス語・ドイツ語・インドネシア語など、数多くの言語において、その病名は「脱出」を意味するラテン語のherniaに由来しています。それが故に、その言い方も似たり寄ったりです。ただし、多くの病名がラテン語系であるロシア語においては「ヘルニア」が違ってきます。

時は19世紀半ばごろです。イギリスで船積みをしていたロシア人の水夫が腹痛に襲われて、現地の医師に診てもらいました。その診断は「hernia」(鼠径ヘルニア)となり、安静するように言われました。英語がわからない兵曹長は診断を見て、「下らない事に悩まされている」と理解してしまい、安静にして作業もしないその水夫を見て「ごろごろしている」と誤解してしまったのです。水夫が何に苦しんでいるのか、ロシアに帰って英語のわかる士官に診断が確認されるまで誰にもわかりませんでした。なぜなら、ロシア語では「下らない事」を意味する〈hernia〉という単語があるからです。

一般人が外国語をわからない19世紀半ばごろの話ですが、現代のロシア人も「ヘルニア」と聞けば「下らない事」と思うのです。鼠径ヘルニアや椎間板ヘルニアなどと診断されたロシア人患者がいれば、その病名をロシア語の医療用語で言わないと通じませんし、最悪の場合は悪口を言われていると誤解される恐れがあります。「ヘルニア」をロシア人患者に訳す場合は、注意が必要ですね。

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